キッチンの主役になる水栓金具。「VERSE」が提案する新しい価値

先日、国産ハイエンド水栓ブランド「VERSE(ヴェルセ)」のご紹介を受けました。

キッチンの設計や提案をしていると、水栓金具は毎日のように目にする設備です。しかし、今回お話を伺いながら改めて感じたのは、「水栓金具は単なる設備ではなく、暮らしの価値そのものを高める存在になり得る」ということでした。

VERSEは、国内メーカーであるSANEIが展開するハイエンドラインとして誕生したブランドで、デザイン性・品質・アフターサポートに至るまで徹底的にこだわって開発されています。特に「長く使い続けること」を前提とした考え方が印象的でした。

VERSE水栓金具

水栓金具に求める機能とは?

一般的に水栓金具に求める機能といえば、

  • 水とお湯が出る
  • シンク内を洗いやすい
  • 掃除がしやすい

この程度で十分と思われる方も多いかもしれません。

実際、水栓金具はキッチンに無くてはならない設備でありながら、普段はあまり意識されない存在です。

しかし近年の住宅では、キッチンがリビングやダイニングの中心に配置されることが増えています。そのため、水栓金具も単なる設備ではなく、インテリアの一部として見られるようになりました。

家具や照明にこだわるように、水栓金具にもデザイン性を求める方が増えているのです。

国産でデザイン性の高い水栓は意外と少ない

私自身、自宅のキッチンを設計した際に水栓選びでかなり苦労しました。

当時は設計上の理由で水栓の高さに制限があり、国産メーカーを中心に探していました。しかし、デザインまで含めて「これだ」と思える製品は非常に少なく、限られた選択肢の中から選んだことを今でも覚えています。

一方で、デザイン性を重視していくと、ドイツのAXOR(アクサー)、DORNBRACHT(ドンブラハ)、スイスのKWC(ケーダブリューシー)などが海外メーカーが候補に挙がるケースも少なくありません。

そんな中で登場したVERSEは、「国産でありながら世界観のあるデザイン」を実現した、これまでになかった選択肢だと感じました。

高価な水栓には理由がある

VERSEの水栓金具は決して安価ではありません。しかし、その価格には明確な理由があります。

まず、使用されている素材そのものが非常に上質です。

そして、VERSEが提案する「経年悠美」という考え方も大きな魅力です。
表面に施されたROSEGOLDメッキは、Au(75%)とCu(25%)で構成されており、時間の経過とともに銅の成分が変化することで、徐々に赤みを帯びたREDGOLDのような深みのある色合いへと変化していきます。

ROGE GOLDの水栓金具(VERSE)


また、バイブレーション仕上げのモデルも和紙のような柔らかさを感じるのが特徴。よく触れる部分から滑らかな肌触り時間の経過とともに表情が変わります。

新品時の美しさだけではなく、使い込むほどに表情が変わり、住まいとともに歳月を重ねていく。その変化を楽しめることこそ、本物の素材を使用した製品ならではの価値ではないでしょうか。使い手の歴史が刻まれます。

新品の状態が完成形ではなく、経年変化によってさらに魅力が増していく。

これは大量生産品にはない、本物の素材だからこそ味わえる価値だと思います。

「捨てない」という発想

今回特に共感したのが、VERSEの考え方です。

一般的な住宅設備は、故障したら交換するという考え方が主流です。

しかしVERSEは、長く使い続けることを前提に設計されており、メンテナンス部品の供給や修理体制にも力を入れています。製品を使い捨てにするのではなく、修理しながら受け継いでいくという思想がブランド全体に流れています。

これからの時代、環境への配慮やサステナブルな暮らしが求められる中で、「壊れたら捨てる」のではなく「直して使い続ける」という考え方は非常に魅力的です。

設備機器でありながら、家具や工芸品に近い価値観を持った製品だと感じました。

実際の操作性も良好

デザインが優れていても、毎日使う水栓は操作性が重要です。

担当者の方のお話によると、VERSEは見た目だけでなく、レバーの操作感や吐水・止水の感触など、日常の使い心地にもこだわって開発されているとのことでした。ブランド独自の「品位基準」を設け、見た目だけではない感性的な品質も追求しているそうです。

東京のショールームでは実際に操作感を体験できるそうなので、興味のある方は一度触れてみることをおすすめします。

設備ではなく、暮らしへの投資

住宅の予算調整をする際、水栓金具は真っ先に削られやすい部分かもしれません。

しかし、キッチンに立つたびに目に入り、毎日何度も触れる設備だからこそ、満足度への影響は想像以上に大きいものです。

家づくりにおいて、水栓金具は単なる蛇口ではありません。

暮らしの質を高める道具であり、空間の印象を左右するデザインでもあります。

もしこれからキッチンを計画される方がいらっしゃれば、ぜひVERSEのような新しい選択肢も検討してみてください。

「水を出すための設備」という価値観が、少し変わるかもしれません。