キッチンのカウンター材、何を基準に選べばいい?
キッチンを考えるとき、意外と悩まれるのが「カウンター材(ワークトップ)」です。
ステンレス、人工大理石、クォーツストーン、天然石、デクトン、エバルトなど、現在はさまざまな素材から選ぶことができます。


選択肢が増えた分、
「結局、どの素材が一番いいの?」
と迷われる方も多いのではないでしょうか。
けれど私たちは、カウンター材に「これが一番」という正解はないと考えています。
大切なのは、どの素材が優れているかではなく、自分たちの暮らしや好みにどの素材が合っているか。
今回は、オーダーキッチンをつくる際に私たちがお客様とどのようにカウンター材を選んでいるのか、その考え方をご紹介します。
まずは「好きなイメージ」から
お客様とカウンター材についてお話しするとき、最初から素材が決まっている方もいらっしゃいます。
特にステンレスをご希望される方は、
「カウンターはステンレスにしたい」
と、比較的はっきりとしたイメージを持たれていることが多いように感じます。
一方で、
「どんな素材がいいのか分からない」
という方も、もちろんいらっしゃいます。
そんなとき、私たちはいきなり素材の性能だけを比較するのではなく、まずどんな雰囲気のキッチンやLDKにしたいのかを一緒に考えていきます。
シャープでスタイリッシュな空間にしたい。
石の質感を生かした重厚感のあるキッチンにしたい。
明るく柔らかな雰囲気にしたい。
カウンターはキッチンの中でも面積が大きく、空間全体の印象を左右する部分です。
キッチンだけを切り離して考えるのではなく、床や壁、家具、照明など、LDK全体との調和を見ながら選ぶことも大切です。

見た目だけではなく「どう使うか」
もうひとつ考えていただきたいのが、普段のキッチンの使い方です。
毎日しっかり料理をするのか。
熱い鍋やフライパンを扱うことが多いのか。
カウンターの上でパンやお菓子をつくるのか。
できるだけお手入れに手間をかけたくないのか。
そして、傷や経年変化をどの程度気にするのか。
同じ素材でも、使う方によって感じるメリット・デメリットは変わります。
「見た目が好き」だけではなく、自分の暮らし方との相性を見ることが、長く気持ちよく使えるキッチンにつながります。
ステンレス|傷も含めて、素材の表情を楽しむ
キッチンでは昔から使われているステンレス。
耐水性が高く、衛生的で、プロの厨房でも使われている素材です。
すっきりとしたシャープな印象もあり、ステンレスならではの雰囲気を好まれる方も多くいらっしゃいます。
一方で、使っていけば細かな傷はついていきます。
ですから、
「いつまでも傷ひとつない状態で使いたい」
という方よりも、
使い込むことで生まれる傷も素材の表情のひとつとして楽しめる方に向いている素材だと思います。
年月とともに少しずつ表情が変わっていく。
そんな素材との付き合い方ができるのも、ステンレスの魅力です。

人工大理石|お手入れと加工のしやすさ
人工大理石は、比較的お手入れがしやすく、加工性にも優れているため、キッチンのカウンターとして広く使われています。
シンクとの納まりをきれいに仕上げやすいことも魅力のひとつです。
ただし、「人工大理石」とひとことで言っても、すべて同じではありません。
大きく分けると、アクリル系とポリエステル系があります。
ポリエステル系は比較的価格を抑えやすい一方、加工できる範囲や経年変化なども考慮して選ぶ必要があります。
Heart Houseでは、長く使うキッチンという視点から素材を検討するため、人工大理石を選ぶ場合にはこうした素材そのものの違いについてもお伝えしています。
「人工大理石だから同じ」と考えず、どのような素材なのかまで確認して選ぶことをおすすめします。

クォーツストーン|石の質感と使いやすさを両立
天然のクォーツなどを主原料としてつくられるクォーツストーンは、石らしい質感や高級感を楽しめる素材です。
色柄の選択肢もあり、キッチンをインテリアの一部として美しく見せたい方にも人気があります。
天然石のような表情を楽しみながら、キッチンでの使いやすさも考えたい。
そんな方にご提案することの多い素材です。
存在感があるため、扉材や床、壁などとの組み合わせを考えながら選ぶことで、LDK全体をより美しくまとめることができます。

天然石|一つとして同じものがない表情
天然石の魅力は、やはり自然がつくった表情です。
色や模様には個体差があり、まったく同じものはありません。
その唯一無二の美しさは、人工的につくられた素材にはない魅力です。
一方、天然素材だからこそ、石の種類によって性質が異なります。
見た目だけではなく、お手入れ方法や使用上の注意点なども理解したうえで選ぶことが大切です。
素材そのものの個性や経年変化を楽しみたい方にとっては、とても魅力的な選択肢です。
デクトン|デザインと機能性を求める方に
近年、キッチンのカウンター材として選ばれることが増えているのがデクトンです。
意匠性が高く、石のような表情からモダンなデザインまで選択肢が豊富。
耐熱性や耐摩耗性などにも優れているため、デザイン性だけではなく、キッチンとしての機能性を重視する方にも検討していただきたい素材です。
カウンターの存在感を生かし、キッチンそのものを家具やインテリアのように見せたい場合にも相性の良い素材です。

エバルト|空間全体を考えた素材選びに
エバルトのような高機能な化粧材も、キッチンのカウンターに使うことができます。
色柄の選択肢があり、扉材などとのコーディネートを考えやすいことも特徴です。
「石だから」「ステンレスだから」と素材単体で考えるのではなく、キッチン全体、さらにLDK全体をどう見せたいか。
そんな視点で素材を組み合わせられるのも、オーダーキッチンならではの楽しさです。

お手入れも、素材選びの大切な基準
ショールームで素材を見ると、どうしても色や柄、質感に目が向きます。
でも、キッチンは毎日使う場所です。
だからこそ、
「汚れたとき、どうお手入れするのか」
「傷がついたとき、自分は気になるのか」
「年月が経ったとき、どんな変化をするのか」
ということも考えてみてください。
どの素材も以前に比べて使いやすく、お手入れしやすくなっています。
それでも、それぞれに特徴があります。
大切なのは、メリットだけを見て選ぶことではありません。
その素材の特徴を理解したうえで、自分が心地よく付き合っていけるか。
そこまで考えて選ぶことが、後悔しない素材選びにつながると思います。
「一番いい素材」ではなく、「自分たちに合う素材」を
カウンター材を選ぶとき、
「結局、どれが一番いいですか?」
と聞きたくなるかもしれません。
けれど、料理の仕方も、お手入れに対する考え方も、好きなインテリアも、人それぞれです。
だからこそ私たちは、
どの素材が一番優れているかではなく、
その方の暮らしには何が一番合っているか。
を一緒に考えたいと思っています。
好きな雰囲気から考える。
LDK全体との調和を考える。
日々の使い方を考える。
お手入れや経年変化を考える。
そうやって一つずつ整理していくと、自分たちに合ったカウンター材が見えてきます。
