「色が入ると、空間はこんなに変わる。和室からギャラリーへ、少しずつ見えてきた完成形」

少しずつご紹介している、和室をギャラリー空間へとつくり変える工事。

前回までは、壁をつくり、お施主様のご希望だったアールの装飾を施したところまでをご紹介しました。

形はできてきたものの、まだボードが見えていて「工事中」という印象だったお部屋。

そこから塗装とクロス工事が進み、空間の雰囲気がぐっと見えてきました。

今回は、その様子をご紹介します。

アールの装飾を白く塗装しました

今回、このお部屋の印象を大きく変えたのが、壁につくったアールの装飾です。

前回までは、モール材を取り付けた状態。

そこに白い塗装を施しました。

白く仕上がると、アールのラインがくっきりと浮かび上がり、同じ形なのに見え方がずいぶん変わります。

そして、その内側には奥様がお好きな色を。

少し落ち着いた色を入れることで、白いモールとのコントラストが生まれ、作品を飾る場所としての存在感も出てきました。

ここにはこれからOPEN棚が入り、大切にされてきた作品が並ぶ予定です。

まだ家具も作品も入っていないのですが、

「ここに作品が並んだら、どんなふうに見えるだろう」

と、完成した姿が少しずつ想像できるようになってきました。

色は「好き」だけで決めるのではなく、どこに使うかも大切

家づくりやリフォームで、意外と悩むのが「色」ではないでしょうか。

好きな色はあっても、

「壁一面に使ったら派手にならない?」

「飽きてしまわない?」

「家具と合うかな?」

と考えると、なかなか決められないものです。

今回も、お部屋全体を好きな色にするのではなく、見せたい場所に色を使うという考え方をしています。

白い壁の中に色のある場所をつくり、その周りを白い装飾で縁取る。

そうすると、色そのものを楽しみながら、その場所に視線が向くようになります。

これからここに作品が入れば、今度は色だけが主役になるのではなく、作品を引き立てる背景になってくれるはずです。

色を選ぶことと同じくらい、「その色をどこに使うか」も、空間づくりでは大切なのだと思います。

クロスが貼られると、一気に「部屋」になりました

そして、壁と天井のクロス工事も進みました。

工事中はボードの継ぎ目やビスが見えていた壁も、クロスが貼られると一気に印象が変わります。

不思議なもので、つい先日まで「工事現場」だった場所が、クロスが仕上がった途端に「部屋」になっていきます。

最初は和室だったこの場所。

畳を取り、床をつくり、壁をつくり、断熱材を入れ、アールの装飾をつくって……。

一つずつ工事を重ねて、ようやく目指していた空間の雰囲気が見えるところまで来ました。

最初から全部を決めなかったから、見えてきたことも

今回のギャラリー工事では、最初から内装のすべてを細かく決めていたわけではありません。

以前のブログでも書きましたが、特に急いで完成させる工事ではないこともあり、出来上がっていく空間を見ながら、仕上げを一つずつ考えてきました。

壁ができてから、装飾を見る。

装飾ができたら、色を考える。

色が入ったら、今度は家具とのバランスを考える。

図面や小さなサンプルだけでは分からないことも、実際の空間に立ってみると見えてきます。

もちろん、すべての工事でこの進め方ができるわけではありません。

でも今回は時間に余裕があったからこそ、

「出来上がってきたものを見て、次を考える」

というつくり方ができました。

これも、このギャラリーならではの面白さかもしれません。

大切なのは「全部を目立たせない」こと

この部屋を考えるうえで、ずっと大切にしていることがあります。

それは、

この部屋の主役は、内装でも家具でもなく、ここに飾られる作品だということ。

アールの装飾も入れたい。

奥様のお好きな色も取り入れたい。

家具にも、この空間らしいデザインを取り入れたい。

そして、お施主様がイメージされている東京都庭園美術館のような雰囲気も感じられる空間にしたい。

でも、それぞれを目立たせすぎてしまうと、肝心の作品が埋もれてしまいます。

だから、

「雰囲気はつくる。でも、作品の邪魔はしない。」

そのバランスを考えながら、一つずつ決めています。

これはギャラリーだけではなく、家のインテリアを考えるときにも同じかもしれません。

好きなものを全部取り入れるのではなく、

「この部屋で、一番見せたいものは何だろう?」

と考えてみる。

そうすると、色や家具、照明の選び方も少し変わってくるように思います。

次はいよいよ、家具へ

クロスが貼られ、塗装も進み、空間のベースがだいぶ整ってきました。

そして次はいよいよ、以前から考えていた家具が入ります。

アールの壁には、作品を飾るためのOPEN棚。

その反対側には、大きな収納家具を予定しています。

何もなかった和室から始まったこの工事。

ここに家具が入り、照明がつき、そして作品が並ぶと、また大きく印象が変わるはずです。

少しずつ完成に近づいてきましたが、まだ主役は登場していません。

長い間大切に保管されてきた作品たちが、この場所に並ぶ日を楽しみに。

もう少し、ギャラリーができるまでの過程にお付き合いください。