旧居酒屋を、友禅作品が映える空間へ。
金沢市香林坊「友禅大久保」リノベーション工事
金沢市有松にて友禅作品の制作活動をされている「友禅大久保」様。
これまでの工房は、作品制作に集中するための場所として使用されており、繊細な作業を行うための空間として大切にされてきました。
一方で、作品展示や来客対応には課題もあり、地元のお客様や観光客の方々に、もっと気軽に友禅の魅力に触れていただける場所が必要と感じられていました。
そんな中、金沢市香林坊の空き店舗をご紹介いただき、新たな活動拠点としてリノベーション計画がスタートしました。
観光客も多く行き交う香林坊という立地。
「友禅をもっと身近に感じてもらえる場所にしたい」という想いのもと、旧居酒屋店舗を友禅作品の販売・展示空間へと改装しました。
以前は居酒屋として使われていた店舗
今回の物件は、以前は居酒屋として営業されていた約22坪の貸店舗です。
内装はすでに解体されており、床・壁・天井はスケルトン状態。

濃い茶色に塗装された柱が空間全体を重たい印象にしており、暗さも感じる状態でした。
また、西側の窓から自然光は入るものの、夏場の暑さや風通しの悪さなど、快適性にも課題がありました。
飲食店特有の空間構成から、どのように“友禅の空間”へ生まれ変わらせるか。
今回のリノベーションでは、その変化も大きなテーマとなります。
「作品が主役」となる空間づくり
新しく生まれ変わる「友禅大久保」は、“作品そのものが主役となる空間”をコンセプトに設計しています。
華やかな友禅作品や、手仕事による小物たちが美しく映えるよう、内装は明るく、上品な雰囲気を意識。


空間自体が主張しすぎるのではなく、作品の存在感や繊細な色彩を引き立てるデザインを大切にしています。
また、観光客の方でも気軽に入りやすく、ゆっくり作品をご覧いただけるよう、落ち着きのある空気感づくりにも配慮しました。
制作の場であると同時に、人と作品が出会う場所として、心地よい空間を目指しています。
外観も、街並みに調和する上品な佇まいへ
既存建物の外観には、帯状に見える装飾柱が取り付けられていました。
建物の印象を大きく左右する部分ではありますが、経年劣化も進んでいたため、解体後の状態を確認しながら慎重に検討を進め出来上がりました。

街並みに自然と馴染みながらも、友禅作品の世界観を感じられるような、上品で落ち着いた外観へ仕上げました。
人と友禅が出会う、新たな場所へ
これまで“制作の場”だった工房とは異なり、新店舗では「友禅を知っていただく場所」として、新たな役割が生まれます。
香林坊という多くの人が訪れる場所で、地元の方々や観光客の皆様に、友禅の魅力をより身近に感じていただける空間になることを願っています。
