お水のお話

以下の記事を朝日新聞のインターネット新聞で発見しました。
長文ですが、今後の健康のためにぜひ一読を~。

「ウオーターサーバーの水質調査結果」

家や会社での利用者が増えているウオーターサーバー(給水器)の宅配水。

麻布大学の古畑勝則教授(微生物学)が調べたところ、使用中に細菌が増殖し水道水の基準を満たさないものが数多くあるとわかった。

体に影響のあるレベルではないが、「安全性確保のため、衛生管理の対策が必要だ」と話している。

宅配水とは、業者がサーバーを利用者に貸し出し、定期的に容器入り飲料水を宅配するもの。原料は地下水や濾過(ろか)した水道水など。一般家庭では、家族の人数にもよるが10~12リットル程度の容器1本を10日前後で消費するという。

昨年度、家庭や事務所などで使用中のサーバーの水140検体を調べた。その結果、全体の3割にあたる42検体が、水道水の水質基準における一般細菌の基準値(1ミリリットルあたり細菌の集落数が100以下)を上回った。

また、7割超にあたる102検体は従属栄養細菌の目標値(1ミリリットルあたり集落数2千以下)を超えていた。この細菌は水質基準の項目ではないが、水質管理上注意すべきだとして厚生労働省が目標値を定めている。

検出された細菌はラルストニア属などで、健康な人に対する病原性はほとんどない種類だった。

水を冷蔵保存する形式のサーバーの32検体を調べた別の調査ではどちらの細菌も基準・目標値以下だった。

古畑教授は「元々生き残っていた細菌が室内に常温で置かれているために増殖している」とみている。9月25日に東京で開かれる日本防菌防黴(ぼうばい)学会で詳しい内容を発表する。

「日本宅配水&サーバー協会」によると、宅配水のメーカーは全国で200から300社とみられる。開業には保健所の許可が必要だが、宅配水自体の衛生管理基準は法律で定められていない。市場はこの10年で急成長し、昨年の市場規模は1207億円、サーバーは約327万台、水の製造量は約111万キロリットルに達している。

(編集委員・大村美香)